今回は、私が実際に施工管理を行った太陽光発電のお客様の話です。
太陽光発電は「安定した収入が得られる」と言われることが多いですが、
投資である以上、リスクがゼロではないということを考えさせられた事例でした。
5年前に設置した産業用太陽光の内容
今から5年前、あるお客様に産業用太陽光発電を設置しました。
設置内容は以下の通りです。
- 50kWの産業用太陽光 × 2か所
- 40kWの産業用太陽光 × 1か所
- 合計:3か所・140kW
売電単価は 38.5円(税込)。
当時としては、かなり条件の良い案件でした。
1か所あたりの売電収入
年間の想定発電量を 1,100kWh/kW とすると、
1か所(50kW)の年間売電金額は次のようになります。
- 50kW × 38.5円 × 1,100kWh
= 2,117,500円/年
月額に換算すると、
約17万円が毎月振り込まれる計算です。
正直に言って、
新卒初任給の手取りと同じくらいの金額です。
今回のお客様は現金を沢山お持ちのお客様であったので現金一括購入でしたが
銀行借入した場合でも 手元に10万円程度は残る
非常に優良な太陽光案件でした。
施工管理した私自身も、
「正直うらやましいな」と思うほどです。
突然入った「発電量が少ない」という点検依頼
そのお客様とは、普段は頻繁に連絡を取るわけではありません。
ところがある日、突然こんな連絡が入りました。
「3か所のうち、1か所だけ発電量が異常に少ない。点検してほしい」
私の会社では、
簡易的な点検については費用をいただいていません。
そのため、現地でパワーコンディショナ(パワコン)を確認しましたが、
機器自体に異常は見られませんでした。
出力制御と通信トラブルの発覚
その発電所は、
出力制御の対象設備となっており、
発電状況の管理に NTTスマイルエナジーの「エコめがね」 を使用していました。
直近の発電データを一緒に確認したところ、
約2か月間、出力制御がほぼ100%の状態になっており、
その間、発電量が大きく落ちていることが分かりました。
これは明らかにおかしいと感じ、
NTTへ問い合わせを行いました。
原因は「通信不良」による発電停止
NTTからの回答はこうでした。
「通信状況が悪く、電力会社からの出力制御信号を正確に受信できていない可能性があります」
その結果、
出力制御がある度に、発電が止まり続けていた
という状況だったのです。
つまり、
設備や太陽光パネルが悪いわけではなく、
通信トラブルによって発電ロスが発生していた
ということになります。
お客様の怒りと、どうにもならない現実
この結果をお客様に説明したところ、
当然ながら納得はされませんでした。
「発電できなかった分を補償してほしい」
という強い口調で詰め寄られました。
お客様の気持ちは、痛いほど分かります。
毎月17万円入るはずのお金が、2か月分失われたのですから。
私も何とかならないかと思い、
NTTへ発電ロスの補償について相談しましたが、
「それはできません」
と、はっきり断られました。
ですよね(涙)と思いながらも仕方なく電話を切りました。
誰も補償できない発電ロス
最終的に、
- 私の会社
- NTT
- 電力会社
どこも発電ロスを補償できない
という結論になりました。
その内容をお客様にお伝えし、
ひとまず話は落ち着きましたが、
お客様としては
「怒りのぶつけどころがない」
非常にやるせない状況だったと思います。
太陽光発電は安定収入だが「投資」である
太陽光発電は、
- 天候が安定していれば
- ある程度、決まった金額が入ってくる
という意味で、
安定性の高いビジネスであることは間違いありません。
しかし今回の件を通じて、
改めて感じたのは、
👉 太陽光発電も投資であり、リスクは必ず存在する
ということです。
「太陽光=絶対に安定」
ではありません。
通信トラブル、制度、出力制御など、
想定外のリスクが発生する可能性はゼロではないのです。
まとめ|安定しているが、リスクも理解した上で考える
この事例は、
太陽光発電を否定する話ではありません。
むしろ、
メリットだけでなく、リスクも理解した上で判断することの大切さ
を伝えたかったのです。
太陽光発電は、
うまく運用できれば非常に魅力的な投資です。
しかし「絶対に大丈夫」というものではない。
その現実を、
現場で実際に起きた話として、
知ってもらえたらと思います。



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