商慣行是正とは?
―2025年7月2日、プロパンガス業界の大きな転換点―
2025年7月2日。
ガス業界、特にプロパンガス業界にとって大きな法改正が行われました。
これまでの業界は、利益優先・規模拡大を背景に顧客獲得競争が激化していました。
顧客を獲得するために各社が打ち出したのは「過剰なサービス」です。
しかし、そのサービスは決して無料ではありませんでした。
最終的にはガス料金に転嫁され、結果として
「プロパンガスは高い」
というイメージが定着してしまったのです。
商慣行是正とは何か?
まず「商慣行」とは、
昔から続いてきた業界の習わしや慣習
を指します。
今回の法改正は、
行き過ぎた業界慣行を是正するための措置です。
※なお、この問題はプロパンガス業界が対象であり、都市ガスは該当しません。
問題の構造は大きく2つ
① 集合住宅
② 戸建て住宅
今回はまず「集合住宅」についてです。
集合住宅で何が起きていたのか?
アパート・マンションなどの集合住宅では、
建物オーナー様がガス会社を選定します。
その際、
「ガス供給をお願いする代わりに、エアコン・Wi-Fi・インターホンなどの設備を無償で設置してほしい」
という要望が出るケースが多くありました。
ガス会社は物件を獲得するため、
これらの設備を無償で貸与していました。
しかし当然ながら、その費用はどこかで回収しなければなりません。
結果として――
入居者のガス料金に上乗せされる形で回収されていたのです。
入居者の立場から見ると
入居者は引っ越し後、1か月目のガス明細を見て初めて
「ガス代が高すぎる…」
と気付きます。
しかし、集合住宅ではガス会社を個別に変更することができません。
つまり、
入居後に気付いても選択の余地がない
という構造になっていました。
もう一つの大きな問題
ガス会社と不動産会社の過度な営業競争
物件獲得のため、
ガス会社が不動産会社へ高額な紹介手数料を支払うケースもありました。
物件情報の提供を受け、契約できた場合に成功報酬を支払う形です。
競争が激化する中で、
・紹介料が高額化
・利益供与の過熱
・過度な営業慣行
といった状況も見られるようになりました。
これも是正すべき点として問題視されていました。
国が示した是正の方針
今回の法改正で大きく示されたのは次の3点です。
① 過大な営業行為の制限
② 三部料金制の徹底
③ ガス料金情報の提供義務化
三部料金制とは?
ガス料金を明確に
・基本料金
・従量料金
・設備料金
の3つに分けて表示する制度です。
例えば、エアコンなどの設備を貸与している場合は
「設備料金 ○○円」
と明確に記載しなければなりません。
これにより、
料金の透明性が高まる仕組みになっています。
私たちの反省
正直に言えば、私の会社でも過去には
・設備の無償貸与
・エアコン、洗面化粧台、ウォシュレット等の設置
・高額な紹介手数料の支払い
を行っていた現場は数多くありました。
会社である以上、利益を追求するのは当然です。
しかし、
本当に入居者の目線に立った営業だったのか?
と問われれば、反省すべき点もあったと感じています。
業界はこれからどうなるのか?
現在は各プロパンガス会社も
ルール改正に則り、適正な営業を行う方向へ動いています。
過度な競争から、健全な競争へ。
透明性のある料金体系へ。
業界全体がより健全な形へ進むことを願っています。
次回は
**「戸建て住宅における商慣行是正」**について解説します。



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