こんにちは!
今回は、ガス業界でも注目したい新商品のご紹介です。
リンナイから、ガス温水衣類乾燥機「温水式乾太くん」が2026年9月28日に発売されました。
ガス衣類乾燥機といえば、短時間で洗濯物を乾かせる「乾太くん」が人気ですが、一方で設置するためにはガス配管や排湿管の工事が必要となり、特にマンションでは設置が難しいという問題がありました。
今回登場した温水式乾太くんは、そんな設置の問題を解決するために開発された商品と考えられます。
しかし、本当にマンションへの設置が広がるのでしょうか?
今回は、従来のガス衣類乾燥機との違いやメリット、そして個人的に気になる課題について解説します。
1.温水式乾太くんとは?
従来のガス衣類乾燥機「乾太くん」は、機器本体でガスを燃焼させ、その熱を利用して衣類を乾燥させる仕組みです。
一方、今回発売された温水式乾太くんは、ガス給湯暖房熱源機でつくった温水を利用して温風を発生させ、衣類を乾燥させます。
つまり、ガスの熱を利用する点は同じですが、乾燥機本体で直接ガスを燃焼させるのではなく、温水を利用して乾燥させるという違いがあります。
この仕組みによって、設置方法の選択肢を広げようとしているわけです。
2.従来のガス衣類乾燥機と比較してみる
まずは、気になる乾燥時間を比較してみましょう。
| 比較項目 | 従来の乾太くん6kg | 温水式乾太くん6kg |
|---|---|---|
| 乾燥時間 | 約60分 | 約84分 |
| 乾燥方式 | 本体でガス燃焼 | ガス温水による温風 |
| ガス給湯暖房熱源機 | 不要 | 必要 |
| 温水配管 | 不要 | 必要 |
| 排湿管 | 必要 | 必要 |
| 希望小売価格 | 機種による | 184,800円(税込)~ |
※乾燥時間はリンナイ公表値を参考にしています。従来機は6kgの実用衣類を約60分、温水式は同条件で約84分です。実際の時間は衣類や使用条件によって異なります。
乾燥時間は24分の差!
6kgの洗濯物を乾かす場合、従来の乾太くんが約60分なのに対し、温水式は約84分。
その差は24分です。
温水式でも電気ヒートポンプ式の洗濯乾燥機より短時間で乾燥できるというメリットがありますが、ガス衣類乾燥機ならではのスピードを重視する方にとっては、この差は気になるところではないでしょうか。
なお、リンナイの試験条件では、温水式の6kg乾燥時間は約84分、電気ヒートポンプ式の洗濯乾燥機は約185分とされています。
温水式は、従来の乾太くんより時間がかかるものの、電気式と比較すれば十分に速いという位置付けになります。
3.最大のメリットはマンションへの設置性
従来のガス衣類乾燥機を設置する際、大きな課題となるのが排湿管です。
衣類を乾燥させると湿気が発生するため、その湿気を屋外へ排出しなければなりません。
戸建て住宅であれば外壁に穴を開けて排湿管を設置する方法がありますが、マンションではそう簡単にはいきません。
- 外壁への穴開けが認められない
- 排湿管を屋外まで延長するスペースがない
- 共用部分の工事に管理組合の承認が必要
- 工事費用が高額になる場合がある
こうした事情から、乾太くんを設置したくても設置できない住宅がありました。
そこで温水式乾太くんでは、対応するガス温水式浴室暖房乾燥機の排湿管に合流させる方法が用意されています。
既存設備を活用できれば、新たに専用の排湿管を設ける必要がなくなり、工事費用の削減につながる可能性があります。
ただし、排湿管そのものが不要になるわけではありません。
また、どの浴室暖房乾燥機でも接続できるわけではなく、対応機種や配管条件などの確認が必要です。
メーカーも、一定の条件を満たす既築マンションで設置できる可能性があるとしています。
4.設置するためには熱源機が必要
ここで注意したいのが、温水式乾太くんは乾燥機本体だけで使用できる商品ではないという点です。
ガス給湯暖房熱源機でつくった温水を循環させて利用するため、対応する熱源機と温水配管が必要になります。

そのため、導入を検討する際には、乾燥機本体の価格だけで判断することはできません。
例えば、次のような項目を確認する必要があります。
- 対応するガス給湯暖房熱源機が設置されているか
- 既存の熱源機がそのまま利用できるか
- 温水配管をどのように接続するか
- 浴室暖房乾燥機の排湿管と合流できるか
- 追加工事にどの程度の費用がかかるか
既に対応する熱源機や浴室暖房乾燥機が設置されている住宅なら、導入しやすい可能性があります。
しかし、これらの設備がない住宅では、新たな設備投資が必要になる場合があります。
マンションへの設置台数を増やすことがメーカーの狙いの一つだと考えられますが、設置条件を考えると、どのマンションでも簡単に導入できるというわけではなさそうです。
5.気になるのはランニングコスト
もう一つ気になるのが、毎月のランニングコストです。
従来の乾太くんは本体でガスを燃焼させて乾燥させますが、温水式では熱源機で温水をつくり、それを循環させて利用します。
そのため、実際の光熱費を比較するには、乾燥機本体だけでなく、熱源機の効率や使用するガス量、電気使用量なども考慮する必要があります。
特に確認したいのは、次の3点です。
- 6kgの洗濯物を乾燥させる際のガス使用量
- 熱源機や循環ポンプなどに必要な電気使用量
- 従来の乾太くんと比較した1回当たりの乾燥コスト
現時点では、これらの条件をそろえた実際の使用データを確認せずに、温水式のほうが高い、あるいは安いと断定することはできません。
ただし、熱源機や配管などの設備費用も含めて考えると、購入費用とランニングコストの両方を確認してから導入を判断したい商品だと感じます。
6.温水式乾太くんは普及するのか?
ここからは、個人的な見解です。
今回の商品は、従来の乾太くんでは設置が難しかったマンションなどに向けて、新たな選択肢を提供するという点で意義があると思います。
しかし、普及するためには、いくつかの課題があると考えます。
① 設置できる住宅が限られる
対応する熱源機や浴室暖房乾燥機が必要になるため、既存設備との組み合わせによっては導入できない場合があります。
また、マンションでは管理規約や管理組合の承認、排湿管の経路なども確認しなければなりません。
② 従来の乾太くんより乾燥時間が長い
6kgで約24分の差があります。
もちろん、温水式でも十分に速いのですが、従来の乾太くんの魅力である圧倒的な乾燥スピードを期待して購入する方にとっては、比較検討するポイントになるでしょう。
③ 導入費用と光熱費の検証が必要
熱源機が既に設置されているかどうかで、導入のしやすさや費用は大きく変わります。
さらに、ランニングコストが従来機と比較してどの程度になるのか、実際の使用データを確認したいところです。
こうした点を総合的に考えると、私は温水式乾太くんが発売されたからといって、マンションへの設置が一気に広がるとは考えていません。
ただし、対応する熱源機や浴室暖房乾燥機が既に設置されており、排湿管の合流が可能なマンションでは、有力な選択肢になる可能性があります。
今後、実際の施工事例や販売実績、ランニングコストの情報が出てくれば、評価も変わってくるかもしれません。
まとめ
リンナイの温水式乾太くんは、ガスの熱を利用した衣類乾燥機の選択肢を広げる新商品です。
従来の乾太くんと比較すると、6kgの乾燥時間は約60分から約84分へと長くなりますが、電気ヒートポンプ式より短時間で乾燥できるというメリットがあります。
また、対応する浴室暖房乾燥機の排湿管を活用することで、従来は設置が難しかったマンションでも導入できる可能性があります。
一方で、熱源機や温水配管が必要であり、排湿管の合流にも条件があります。導入費用やランニングコストも含めて検討する必要があるでしょう。
個人的には、今後の普及状況を慎重に見ていきたい商品です。
新しい商品が登場すること自体は、ガス業界にとって明るい話題です。
ただし、本当に普及するかどうかは、商品の性能だけでなく、設置のしやすさ、導入費用、日々の光熱費など、実際に使用するお客様にとってのメリットがどれだけあるかで決まるのではないでしょうか。
今後の動向にも注目していきたいと思います。
【参考】リンナイ公式サイト



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