「これは……ガス屋としては、ちょっと気になる商品が出てきたな。」
パナソニックから、**屋外排気式の電気衣類乾燥機「ソレイル」**が発売されるという情報を見ました。
これまで電気式の衣類乾燥機といえば、ガス衣類乾燥機に比べて「乾燥に時間がかかる」というイメージがありました。
ちなみに『ソレイル』の語源はスペイン語の太陽を意味する「sol」と空気を意味する「aire」の組合せの造語です。
私自身、ガスを扱う仕事をしていることもあり、衣類乾燥機といえばやっぱり、
「幹太くん」
というのが頭に浮かびます。
ところが今回のパナソニックの商品は、これまでの電気式衣類乾燥機とは少し事情が違いそうです。
これまでの電気式の弱点をかなり攻めてきた
衣類乾燥機を選ぶとき、多くの人が気にするのは、
「ちゃんと乾くの?」
「乾燥時間はどのくらい?」
「電気代はいくら?」
というところではないでしょうか。
電気式衣類乾燥機の大きな弱点のひとつが、乾燥中に発生する湿気の処理です。
従来の電気式では、乾燥に時間がかかり、生乾きが気になるというケースもありました。
ところが今回の「ソレイル」は、屋外排気を採用。
乾燥によって発生した湿った空気を屋外へ排出することで、乾燥時間を従来より45%短縮するというのが大きな特徴です。
さらに電源には200Vを採用。
100Vタイプよりも大きな電力を使えるため、乾燥能力の向上が期待できます。
つまり、
「電気式は乾燥に時間がかかる」
という、これまでの弱点をかなり本気で潰しにきた商品という印象です。
これはガス屋としても、ちょっと気になります。
ガス衣類乾燥機といえば「幹太くん」
これまで衣類乾燥機の話になると、ガス屋としては圧倒的に強かった商品があります。
そうです。
「幹太くん」です。
ガスの強力な熱量を利用して短時間で衣類を乾燥できるため、電気式とはかなり大きな能力差がありました。
特に子育て世帯など、毎日大量の洗濯物を乾かす家庭にとっては、
「もう幹太くんなしでは考えられない」
という声もあるほどです。
そして、私たちガス会社にとっても、幹太くんは非常にありがたい商品です。
新築住宅でオール電化を選択されるお客様でも、
「衣類乾燥機だけはガスにしたい」
というケースがあります。
そのため、オール電化住宅であっても、衣類乾燥機のためにガス配管を引くというパターンはこれまで少なくありませんでした。
ところが――。
「ソレイル」が普及したら、ガスを入れる理由がひとつ減る?
今回の商品を見て、私が最初に思ったのがこれです。
「これは、幹太くんを脅かすライバルになるんじゃないか?」
ということ。
もちろん、現時点では実際の販売状況や使い勝手、電気代、乾燥能力などを見てみないと分かりません。
それでも、
・200V電源
・屋外排気
・乾燥時間の短縮
・電気式であること
という組み合わせは、これまでの電気式衣類乾燥機とは違った存在になりそうです。
特にオール電化住宅との相性はかなり良いでしょう。
これまでなら、
「オール電化だけど、乾燥機はガスにしたい」
↓
「それならガス配管を引きましょう」
という流れがありました。
しかし、
「200Vの電気式で、十分な乾燥性能がある」
となれば、
「わざわざガスを引かなくてもいいのでは?」
という選択肢が出てきます。
これはガス屋にとっては、なかなか悩ましい話です(笑)。
深夜電力を活用すれば、さらに面白い
そして、もうひとつ気になるのが電気料金です。
電気料金プランによっては、夜間の電気を比較的安く利用できるプランがあります。
洗濯物を夜に洗って、夜間の時間帯に乾燥機を動かす。
もしそうした使い方ができれば、電気式衣類乾燥機のランニングコストを抑えることも期待できます。
もちろん、電気料金は契約しているプランや使用時間によって変わりますので、「必ずガスより安い」とは言えません。
それでも、
「オール電化+太陽光+蓄電池+200V衣類乾燥機」
という組み合わせが成立すると、かなり強力です。
ガス会社としては、
「そこまで電気でやりますか……」
と思ってしまいます(笑)。
ガス屋としては、かなり警戒しています
これまで私は、衣類乾燥機についてはかなり「ガスが強い」と思っていました。
実際、ガスの強力な熱量を利用して短時間で乾燥できることは、大きなメリットです。
だからこそ、オール電化住宅でも「衣類乾燥機のためにガスを使う」という余地がありました。
ところが、今回のような商品が普及してくると、その「ガスを入れる理由」のひとつがなくなってしまう可能性があります。
これはガス会社にとっては、かなり大きな問題です。
とはいえ、逆に考えれば、これは非常に面白い市場競争でもあります。
ガスにはガスの強みがあります。
電気には電気の強みがあります。
どちらが最終的にお客様から選ばれるのか。
これからますます競争が激しくなっていくのではないでしょうか。
11月の正式発表を注視したい
今回の商品は、11月上旬に正式発表される予定とのこと。
価格、容量、乾燥時間、消費電力、設置条件、実際のランニングコストなど、正式発表で確認したいところがたくさんあります。
特に私が気になっているのは、
「実際に幹太くんと比べてどうなのか?」
というところ。
ガス屋としては、もちろん幹太くんに頑張ってもらいたい(笑)。
でも、新しい商品が出てきたら、私たちもそれを無視するわけにはいきません。
むしろ、こうした新しい商品が出てくることで、
「電気とガス、どちらがお客様にとって本当に良いのか」
を改めて考えるきっかけになります。
これからは、単純に「ガスだからおすすめ」「電気だからおすすめ」という時代ではなく、住宅の性能や太陽光発電、蓄電池、電気料金プラン、家族構成、洗濯物の量などを含めて、最適な選択肢を提案することが重要になってくるでしょう。
それにしても……
「幹太くん、ついに強力なライバルが現れましたよ。」
ガス屋としては、少しドキドキしながら11月の正式発表を待ちたいと思います。



コメント