数年前、私は「ソーラーシェアリング(営農型太陽光)」の案件を担当しました。
場所は鹿児島県。しかも当時は県内で前例がほぼない状態。
結論から言うと――
計画から完工まで約1年。正直、かなりハードでした。
それでも最終的には無事に完工し、現在も順調に発電・運用されています。
この記事では、
- ソーラーシェアリングとは何か
- 実際の施工の流れ
- 苦労したポイント
- やってみて分かったメリット・デメリット
を、現場経験ベースでリアルに解説します。
ソーラーシェアリングとは?
ソーラーシェアリングとは、
👉 農地の上に太陽光パネルを設置し、農業と発電を両立する仕組みです。
通常、太陽光発電は「雑種地」に設置するのが基本です。
農地に設置する場合は、原則として**農地転用(雑種地化)**が必要になります。
しかし――
第一種農地という壁
農地の中でも「第一種農地」は、
- 農業に最も適した土地
- 原則として転用不可
という非常に厳しい規制があります。
ここで登場するのがソーラーシェアリングです。
ソーラーシェアリングの仕組み
ソーラーシェアリングでは、
- 地面 → 農業(耕作を継続)
- 上部(高さ2m以上)→ 太陽光発電
という形で共存させます。
つまり、
👉 農業を続けることを条件に、特例で太陽光設置が認められる
という制度です。
今回のプロジェクト概要
今回の案件は以下の通りです。
- 地域:鹿児島県
- 規模:50kW × 2基(計100kW)
- 工期:約1年
- 農業内容:原木しいたけ栽培
なぜ「しいたけ栽培」なのか?
ソーラーシェアリングでは、
👉 日陰でも育つ作物を選ぶ必要があります
代表例としては:
- ブルーベリー
- 榊(さかき)
- しいたけ
今回選ばれたのは「原木しいたけ」。
理由はシンプルで、
- 日陰に強い
- 継続的に収穫できる
- 計画が立てやすい
という点です。
実際には、
👉 年間約300本の原木を仕込み、収穫・販売
という事業計画を立てました。
最大の壁は「申請」
正直、一番大変だったのは工事ではありません。
👉 農業委員会の許可申請です
当時は鹿児島県で前例がほぼなく、
- 行政も手探り
- 書類の整備もゼロベース
- 判断基準も曖昧
という状態でした。
申請で求められるポイント
特に重要だったのは以下の点です。
① 農業が継続されるか
→ 「発電のための名目農業」ではNG
② 収益計画の妥当性
→ しいたけの売上予測が重要
③ 継続報告
→ 3年ごとに役場へ報告義務あり
実際の裏話(かなりリアル)
申請がなかなか進まず…
👉 オーナー様の知り合いの議員が登場
役場との調整も入り、正直かなり“力業”な場面もありました。
現場としては、
「これ本当に通るのか…?」
という状態で、かなり精神的にもキツかったです。
工事フェーズの苦労
申請が通った後も油断はできません。
特徴的な施工ポイント
- 架台の高さ:約2m以上
- 通常の太陽光より構造が複雑
- 農業との動線確保が必要
つまり、
👉 普通の太陽光より施工難易度は高め
台風リスクは大丈夫?
正直ここはかなり不安でした。
しかし結果的には――
👉 これまで台風被害なし
理由は、
- パネル間に隙間がある
- 風が抜ける構造
この設計が功を奏していると考えられます。
発電実績は?
- 50kW × 2基
- 発電量:シミュレーション通り
👉 収益面は想定通り順調
ソーラーシェアリングのメリット
実体験ベースでまとめると👇
メリット
- 農業+発電で収益の二本柱
- 農地を活かしたまま収益化できる
- 国の後押しがある
デメリット・注意点
一方で課題もあります。
デメリット
- 申請難易度が高い
- 作物選びが制限される
- 定期報告が必要
- 初期ハードルがかなり高い
結論|やる価値はあるのか?
結論としては、
👉 「条件が揃えばかなり有望な事業」
特に、
- 農業の収益が見込める
- 販路がある(今回のオーナーのように)
- 長期運用できる
この3つが揃えば非常に強いです。
まとめ
今回のプロジェクトを振り返ると、
- 前例なしの中での挑戦
- 申請の苦労
- 工事の難易度
正直、かなり大変でした。
それでも――
👉 最後までやり切った経験は大きな財産です
そして今、
- 発電は順調
- 農業も継続
という結果を見ると、
「あの時やってよかった」
と心から思えます。



コメント